白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
一歩外に出ると、あまりの寒さに身が縮む。

午後の日差しはあんなにポカポカ暖かかったのに、太陽が眠りに落ちた夜の空気はブルブルと身震いするほど冷くなっていた。

今さらそんなことに気づく。

稜ちゃんがわたしをドキドキさせてくれたおかげで、ほっぺに感じる弱い風は心地いいくらい。

だけど体は、昼間に熱っぽかったせいで逆に冷えた。


こんなに寒いのに、いつ起きるかも分からないわたしのためにワイシャツで・・・・。

ごめん、稜ちゃん。

それから・・・・ありがとう。


忙しく胸にやってくる、嬉しい気持ちと申し訳ない気持ち。

その気持ちをできるだけ顔に出さないように校門まで走った。

でも、ほっぺの熱さだけはどうにもならなくて。

走ったせいでポカポカなんだ、なんて無理やり言い聞かせたり。


何年ぶりかにまともに会話しちゃったよ・・・・。

それでも心は正直で、一緒に帰れる興奮と感動が入り交じって、わたしの心は踊り狂う。

そしてやっと、わたしは暗がりの中で稜ちゃんの姿を見つけた。