「お前ら!! 遊びでやってんじゃねぇんだぞ、青雲の強みは攻撃じゃなかったのか!どうしたんだ、しっかり打て!」


8回裏の攻撃。

打席に向かう前、笹本先生はみんなの士気を高めるために、あえて厳しい檄を飛ばす。


「「「はいっ!」」」


みんなの疲れった顔、稜ちゃんの額から滝のように流れ落ちる大粒の汗、1人で投げ抜いてきた大森君の荒い息遣い・・・・。

もうとっくに限界を超えた中、みんなはなんとか気力をふり絞って声を出していた。


「ここまで来たんだ!なにがなんでも優勝旗を持ち帰るんだ!いいか!」

「「「はいっ!」」」


檄を飛ばす先生のほうも、ダラダラと大汗をかいている。

先生も、もうとっくに限界を超えているんだ・・・・。

声はガラガラとかすれ、顔には疲労の色が濃い。

それでもチームを思って、みんなを甲子園へ連れていきたくて、先生は先生にしかできないことをしている。


わたしには?

わたしには何ができる?

わたしには、わたしには、わたしには・・・・。

わたしにできることは何?