誕生日パーティーが始まる1時間くらい前・・・・。
家の玄関先で、稜ちゃんのお母さんが心配そうにわたしのお母さんに話しているのを聞いた。
「稜ったら、まだ帰らないのよ」
と、稜ちゃんのお母さん。
「どうしたのかしら。私も探してみる?」
と、わたしのお母さん。
「ううん。もう少し待ってみようと思うんだけど、なんだか心配でね」
「そうよね・・・・」
「もし稜が直接花森さんのところに来たら、こっちに連絡してくれないかしら。すぐに行くから」
「ええ、大丈夫よ。稜君、そのうち帰ってくるわよ。友達と遊んでいるんじゃない?」
「そうかもね。お手間を取らせてごめんなさいね」
「ううん。パーティーは6時半からだから、楽しみにしててね」
「うん」
「じゃあ、また夜にね」
「うん、また来るわね」
そんな会話が、お昼寝したあと、トイレに行こうとしたときに聞こえたんだ。
わたしが行かなきゃ・・・・!
わたしが稜ちゃんのこと、探しに行ってあげなきゃ・・・・!


