白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
「ごめん、重くて・・・・」


“乗っていく”なんて、図々しいこと言わなきゃよかった。

バカだ、わたし・・・・。


「ぶはっ・・・・!嘘だって。本気にすんなよ。外暗だろ? だから心配なだけ。重いだなんて思ってねぇよ」

「あ・・・・ありがとう」

「おぅ。どうってことねぇ」


稜ちゃんはそのあと「日誌、顧問に渡してくる」と言って、閉めた部室の鍵と一緒に職員室に持っていった。

わたしのほうは校門の前で待つことになって、その間、星が輝きだした空を眺めていた。





そういえば・・・・。

さっきみたいに稜ちゃんがさり気なく心配してくれたこと、前にもあったっけ。


確かあれは、小学6年生のとき。

そのときで最後になっちゃったけど、稜ちゃんの家族と一緒に出かけた水族館。

ゴールデンウィークに“プチ家族旅行”をしたときのことだった。


イルカに夢中になりすぎて、いつの間にかお母さんたちとはぐれてしまって・・・・。

そんなとき、稜ちゃんがわたしを探しに来てくれたことがあったんだ───・・。