白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
岡田君への申し訳なさで胸が張り裂けそうで、突き飛ばしたり「やめて」なんて・・・・言えなかった。

そんなの、わたしには言えない。


謝らないでよ、岡田君。

謝るのはわたし・・・・。


「結局俺、野球でも恋でも稜には1つもかなわなかったな」


わたしを抱きしめたまま、岡田君がそう言う。

そんな彼の絞り出した声に、わたしの目には涙が浮かんだ。


「あいつに何か1つだけでも勝ちたくてこんなことしてる俺、最低だよな」


ポロッ・・・・。


もう限界。

涙が我慢できない。


わたしが稜ちゃんを想うのと同じように、岡田君もわたしのことを想ってくれていたなんて・・・・。

今まで少しも気づかなかった。

気づいてあげられなかった。

気づこうとさえしていなかった。

わたしはもう、岡田君にかける言葉を何も持っていなかった。


「・・・・そろそろ稜たちが戻ってくる頃だな。こんなの見られたらそれこそ誤解されちまう。ごめん、俺、先に帰るわ。今日のことは気にするな。明日からは元通りにするから」