白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
「ふぅ・・・・」


そう1人で焦っていると、岡田君が肩で大きく息をした。

岡田君も、この微妙な空気に耐えられなくなったか、どうにかしたかったのかもしれない。

それから岡田君はおもむろに立ち上がって、わたしに向かってゆっくりと歩いてきた。


「花森・・・・」


やっぱり嫌だ、聞きたくないっ!

わたしはキュッと目をつぶった。

自惚れなのは分かっているけど、これって告白・・・・ってやつじゃないかな?


心はもう稜ちゃんでずっと前から決まっている。

だけど、告白を受ける準備も“ごめん”と言う準備もまだできていなくて・・・・。


「花森さ、俺の下の名前、なんだか知ってる?」

「・・・・へっ? な、なんで急に」

「まぁ、いいから言ってみろよ」

「う、うん」


告白だとばかり思っていたわたしは、体から一気に力が抜けた。

またわたしの早とちり・・・・。

あ、名前、名前。

えっと・・・・岡田、岡田、岡田・・・・あれっ?

どうしよう、岡田君の名前が思い出せない・・・・。