白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
ココちゃんと別れたわたしは、急いで校舎を出て部室を目指した。

その途中に空を見上げると、消えかかった大きな虹がわたしの目に映った。

それから、雨に濡れて光り輝く草や木の葉っぱ。

わたしのこの目に見えたものは、どれを取っても新鮮で、色鮮やかで繊細で。

“心のつっかえが取れれば見えるものも違うんだ”って、そう思った。


これからは強くなろう・・・・。

虹を見て、1つ誓いを立てた。










部室に着くと、わたしが投げた傘とてるてる坊主はもうなかった。

きっと、稜ちゃんか岡田君が片付けたんだと思う。

部活前に部室にいたのは稜ちゃんと岡田君だけだったし、みんなが来るまでにはまだ少し時間があったから。

そう思うと、一気に緊張が高まっていく・・・・。


ドアノブに手をかけると、中から“ポーンポーン”と壁にボールを打ちつける音が聞こえてきた。

・・・・誰かいる。

ゴクリと唾を飲み込んで、わたしは精一杯の明るい声を出した。


ガチャッ!


「遅くなってすみません!」