白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
校門を出ると、そこには見慣れた白のカローラと車のナンバー。

わたしのお父さんが仕事帰りに迎えに来てくれていた。


「お父さんだ・・・・」


わたしがそうつぶやくと、


「どしゃ降りだから心配だったんじゃねぇの?」


と、稜ちゃん。

わたしたち気づくと、お父さんはハザードランプを2回、ピカピカと点滅させた。


急いで駆け寄って、助手席のドアを開けるわたし。


「お父さん、ありがとう!」


気まずいまま帰らなきゃならなくなりそうだったから、助け船が出た!なんて思っちゃう。

自然と顔もほころぶものだよね。


「ほら百合子、風邪ひくから早く乗って。稜君も!」

「うんっ!」

「いえ、僕は・・・・」

「そう遠慮するなよ、稜君。知らない仲じゃないんだから」

「はい・・・・じゃあ、すみません、おじゃまします」


わたしは助手席に、稜ちゃんは半ば強引に後部座席に乗せられて、お父さんの車はゆっくりと発進していく。

相変わらずタバコ臭い車内でも、今はそんなの気にならない。