白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
でもなぜか・・・・わたしの心は否応なしにザワつく。

ザワザワして、胸騒ぎが治まらなかった。


そんなわたしの心と同じようなどしゃ降りの中、稜ちゃんと並んで外に出る。


「傘、持ってるか?」


稜ちゃんは、3人は入れそうな大きな青い傘を広げながら聞く。


「うん、あるよ」


わたしは、今朝持ってきたビニール傘を思い出しながら答えた。

そして、稜ちゃんと同じように傘を広げようとするけど・・・・。


「教室に忘れてきたみたい。取ってくるね」


わたしが持っていたものは、手提げカバンと教科書やノートが入ったバッグだけ。

本当、バカ。忘れるなんて・・・・。


「いいよ、もう遅いし」


稜ちゃんは“入れば?”って顔で言っている。


「でも・・・・」


わたしは今、喜んで稜ちゃんの傘に入れる気分じゃなくて・・・・。

だって、さっき自分の腹黒さを痛感したところだったし、岡田君のこともあったから。


だけど稜ちゃんは、わたしが遠慮していると勘違いしたのか、こう言った。