白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
───それから何時間が経ったのかな・・・・。


ほっぺの辺りがくすぐったくて、わたしは目を覚ました。

・・・・そうか、いつの間にか寝ちゃってたんだ、わたし。

ゆっくりと目を開けると、なんとなく黒いものがぼやけて見えた。


「っ・・・・!?」


誰かがハッと息を呑んだ。

わたしの目が覚めたことに気づいたらしく、その黒いものは急に引っ込んだ。


「・・・・お、起きたか?」


そう聞かれて、声のするほうに顔を上げたわたし。

まだ焦点が合わない目に見えた人は・・・・え・・・・岡田君!?


「俺バイクだし、メット、教室に置きっぱだったし。・・・・そのついで? まぁ、俺が代わりに起こしに来てやったぞ」


少し慌てた様子で岡田君が言う。

寝起きのせいなのかな、言っていることの半分もわたしは理解できなかった。


というか・・・・。

ほっぺに感じたくすぐったさと黒いものって、まさか岡田君の手じゃ・・・・ないよね?


思わずバッ!と仰け反るわたし。

それを見て、岡田君は少し笑う。