花北にもいるんだよね、上田君みたいなガタイのいいバッターが。

高校生とは思えないくらい、選手としての体が出来上がっている。

今までは打たれてもゴロに押さえてきたけど・・・・。

疲れがピークの大森君には大丈夫なのかな。

甘い球が入ったら、ホームランだって打ちそうな雰囲気だよ・・・・。


だけど、青雲バッテリーはわたしの不安を吹き飛ばすすごいピッチング。

疲れを感じさせない大森君の豪速球が唸りを上げていた。

相手バッターは、大森君の球と稜ちゃんの見透かしたかのようなリードの前に出すすべがない。

息つく暇もなくツーストライク。


そして・・・・!


ブンッ!


やけくそで振ったんじゃないかと思うほどの、大きく外れたボール球に手を出したバッター。


「キャーッ!キャーッ!」


稜ちゃんがキャッチャーミットにボールを収めた瞬間、女の子たちは割れんばかりの大歓声!

ベンチの控え選手も笹本先生も、ほかの応援の部員たちも、立ち上がって「おっしゃぁ!」って。

今年最初の勝利が・・・・!