白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
8回の裏は結局、またもやカーブに苦しめられて無得点。

稜ちゃんがフォアボールで出塁したけど、2番の井上君が本来の力の半分も出せずにアウト。

それでも、表に三振した花北ピッチャーは、なんだかムキになって投げていた印象だった。

落ち着いて投げればボール球だってそんなに出ないはずなのに、球が荒れていた。


そして9回の表。

ここを守れば、やっと初勝利!

笹本先生がみんなを呼んで円陣を組ませる。

先生の「行ってこい!」の声で、みんなは「オーッ!」と雄叫び。

グラウンドに散っていくナインたちに、女の子たちの「キャー!」も最高潮。


「あー、鼓膜が破れる」


両耳に指を突っ込んで岡田君が防音している。


「ん〜、近くだと・・・・けっこう危険かも・・・・ね」


わたしは防音するほどじゃないけど、本音を言うと、もう少し静かだったらいいのになと思う。

稜ちゃんたちの気が散るんじゃないかって、それが心配。

だってここは大事な場面だもん。

・・・・って、本当は応援があったほうがいいのかな?