白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
試合は2人目のバッターへ。

この人はファウルでよく粘るバッターなんだ。

このバッターが打席に入ったときは、大森君の球数がどうしても増えてしまう。

根負けしてフォアボールを出すピッチャーも少なくないというくらい、本当に粘りのバッター。

大森君、稜ちゃんのリードを信じて投げて!


「わざと打たせて取るのがいい。根負けしたらかっこつかねぇし」

「きっとそう考えてるよ、キャプテンは」

「だろうな」


ひっきりなしに飛びかう黄色い声援を背中に受けての岡田君。

刺々しい口調だけど、これもまたしょうがない。

何もしゃべってくれないほうが逆に怖かったりもするから、しゃべってくれるだけありがたい。

そう思わなきゃ、隣でなんて試合を見ていられない・・・・あっ!投げた!

打った!

よかったぁ・・・・センターフライ。

ツーアウト、ランナーなし。

このまま調子を保って!大森君!



でも・・・・。

3人目のバッターは、さっきのカーブが得意な人。大森君の顔がみるみるうちに変わっていく。