白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
表の攻撃をなんとかしのいだ青雲は、ここまで投げてきた大森君の疲れが著しい。

それでも大森君は最後まで投げきる覚悟があるみたで、笹本先生が「交代するか?」って聞いても首を横に振っていた。

きっと、去年のリベンジがしたいんだと思う。

その気持ちが分かる先生は、ただ頷いていた。

先生だって本当は無理をさせたくないだろうけど、大森君の気持ちを汲んで最終回まで投げさせる気なんだ。


ちょうど打順は6番から。

青雲の攻撃の間、少しだけでも休めそう。

ベンチで滴り落ちる汗をぬぐっている大森君。

・・・・あと2回だよ、頑張って!



“今度こそ負けない!”

そんな気迫を漂わせながら村瀬くんが打席に入る。

入念に足場を整えて、グッと腰を下げての独特の構え。


第1球。


ブンッ!


「振る位置が下すぎるな・・・・」


フーッと鼻でため息をつきながらの岡田君の解説。

高めのストレート。

バットにかすらなかった。

村瀬君も、緊張をほぐすように肩と首を数回ぐるりと回した。