試合は後半戦の7回へ。
「守れるかな、1点・・・・」
そうわたしがつぶやくと、
「ちげーよ、守りに入ったら気持ちで負ける」
と岡田君。
そうだよね、スポーツは気持ちで戦う部分が大きいもんね。
「うん、ごめん」
「いや。本音は守りきってほしいけどな」
ニヤッっと笑ってわたしを見下ろす岡田君。
そうか、やっぱり本音は貴重な1点は守りたいんだ。
スポーツには、矛盾だってつきものなのかもしれない。
こういうときに、思いたいことと思っていることが順番に心に訪れる。
攻めなきゃ、守らなきゃ、って。
マウンドでは、この回から交代した花北のピッチャーが念入りに投球練習をしていた。
この人はよく覚えている。
去年の秋期大会のとき、稜ちゃんが正捕手を外れたときの試合で対戦した人。
あの時の試合は結局負けて、その大きな敗因として、この人の“青雲キラー”かと思われるほどの完璧なピッチングがあったんだ。
あれから対策を練ったけど、今日の試合でそれが実を結ぶか・・・・。


