息つく暇もなく青雲ナインはグラウンドに散っていく。
2回の表が始まる。
でもわたしは・・・・稜ちゃんが目で追えなかった。
みんなの前では変わりなくニコニコしているのに、どうしてさっき、わたしにプイッってしたんだろう。
そのことが頭から離れなくて、つい3日前の被害妄想だったわたしに戻りかける。
試合はつつがなく進む。
だけどわたしは、一人ぽつんと取り残された気分に・・・・。
「おい花森、お前、試合のデータ取るんだろ? 稜に貸したくねぇのか?」
ズシンと沈んだわたしに岡田君が声をかけてくれた。
ほんと、こういうときだけ調子がいいんだから。
でも・・・・。
わたしの“好き”を知っている岡田君は、それだけでなんだか心強い。
「うん、ありがと。そうだよね、データ取らなきゃだよね!」
「そうだぞ、花森。俺の代わりにしっかりスコア付けとけよ!」
「もーっ!ほんとに面倒くさがり屋なんだから!」
「はいはい」
「はぁ・・・・」
こんな調子で気分を紛らわせてくれるんだよね。


