白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
稜ちゃんがベンチに戻るとき、一瞬だけ目が合った気がした。

だけど稜ちゃんは、わたしを避けるようにプイッて。

プイッって・・・・。


「やきもち妬いてんだよ、稜は。ホーム踏むとこ、花森に見てもらえなかったから」

「・・・・」


稜ちゃんのプイッに気づいたらしい岡田君がフォローしてくれたけど、本当にそうなのかな?

わたしには、今のプイッがあまりにもショックで半ベソだよ・・・・。


でも、いくらフォローしてくれても、いつもいつも岡田君に騙されるわたしじゃないんだから!

稜ちゃんがやきもち妬くわけないじゃん・・・・。だってわたしだよ?

また岡田君に遊ばれちゃったんだよ、わたし。

いつになったらポーカーフェイスになれるのかな。




一人で半ベソをかいている間に、もう1回の裏は終わってしまったらしい。

6番の村瀬君は、向こうのピッチャーの前に手も足も出せなかったって。岡田君が言っていた。

村瀬君のバッティングもすごくいいんだ。だけど、1点先取されたことでフルパワーになった花北が力でねじ伏せた。