太陽を遮断するように閉められている黒色のカーテン。

生物室のあらゆるところに置かれている水槽は赤紫色に光り、フィルターから吹き上がる気泡は、まるで胎動(たいどう)のように耳障りのいい水音を奏でている。


俺は窓際に沿うようにして置かれた棚の上に腰かけて、手の中にある三角フラスコを揺らす。

その中で泳いでいる数匹の稚魚(ちぎょ)。色素が欠落し、体の骨が透けて見えている魚をじっと見つめていた。