敵総長と未亡人は当然上手くいかない

涼生は私の事を気にしてか、何度も族は辞めると言っていたけれど、
仲間もいたし総長なんてポジションをキープしてきた人物がそう簡単に足を洗えるはずがない。


それで別れ話が出たこともあったけれど、涼生のことを好きになってしまった私ももう後戻りは出来なかった。


高校を卒業して私は短大に、涼生は知り合いの建設会社で働き出した。


それからも私たちは何度か困難を乗り越え、ようやく涼生は族を解散させることが出来た。


『香澄さんっ!今どこっすか?!』


15分後、真藤君から連絡が来た。


「橋からちょっと北に行った階段で下りられるとこ!!」


『・・・・北ってどっち??』


チっ、使えねーなこの男。。


私は仕方なく階段を上がり、大きく手を振った。


橋から2人の男がこっちに掛けて来る。


あれは真藤君と・・・涼生が一番信頼を置いていた朝日さんだ・・・。


どうして朝日さん連れてきたんだよ真藤・・・。

というか朝日さんも北が分からなかったのかよ・・・


「香澄さん!!」


「・・・傘もささずに何してたんだ・・・」


真藤君は私より一つ年下の男で話しやすいのに対し、朝日さんは私よりも2つ年上であまり表情がないのが特徴だ。


その癖、母親のように口うるさいからちょっと苦手だった。


「ちょっと散歩してただけですよ!!それより早く助けないと!!!!」


一緒に階段を下りると相変わらずその男は血を流し横たわっており、息もしているのかどうか分からなかった。