ああ、やっぱり私はこの色を知っている・・・
雨の冷たさが背筋を流れていく。
茂みを掻き分け、そこに横たわるボロボロになった人を目の当たりにした。
顔中ひどく腫れ上がってはいるが、黒く短い髪と身体つきから男だと判断した。
その血は頭と口、脚から流れ出ており、川に向かって一筋になって流れていた。
こういう状況は何度も何度も見てきた。
だから私は絶対にこの人を助けなきゃいけない・・・手遅れになる前に助けないといけない。
そんな焦燥感が私の身体を突き動かした私はスマホを取り出し直ぐに電話を掛けた。
「・・・もしもし、真藤君?」
『・・・ーなんすか、香澄さんから連絡来るって珍しいっすね。』
「お願い!人が倒れてるの!直ぐに車出してくれる??!」
『・・・は??』
「うちの近くの川沿いに人が血を流して倒れてるのよ!!!!」
相当焦っていて心に余裕が無かったんだと思う。
だって私から死んだ旦那の舎弟に連絡するなんて今までになかったから。。
私の旦那は昔、「東冥」という族の総長をやっていた。
私たちが出会ったのは高校生の時。同級生だった。
涼生は体格が良くて背が高く、端正な顔立ちで優しい笑顔が特徴だった。
彼はいつも、自分は総長をやるなんて柄じゃないと笑いながら愚痴を溢していた。
特に彼の家が極道だとか兄弟が総長だったとかではない。
不良の喧嘩を何度も止めているうちに自然と総長にまで伸し上がってしまったらしい。
ただとにかく強かった。
女子にも相当モテていた。
涼生は私には違うと言っていたけれど、きっと私と付き合うまでは色々な子と付き合っていたんだと思う。
私は地味で大して可愛くもなく、愛想もなかったから、涼生から告白された時は目ん玉が飛び出るほど驚いた。
私の何がいいのかって聞いたら、普段は愛想がないのに本を読んでいる時の顔は表情豊かで、気になって見ているうちにいつの間にか好きになったと言っていた。
涼生は「総長」なんてのがまるで似合わない普通の男の子だった。
雨の冷たさが背筋を流れていく。
茂みを掻き分け、そこに横たわるボロボロになった人を目の当たりにした。
顔中ひどく腫れ上がってはいるが、黒く短い髪と身体つきから男だと判断した。
その血は頭と口、脚から流れ出ており、川に向かって一筋になって流れていた。
こういう状況は何度も何度も見てきた。
だから私は絶対にこの人を助けなきゃいけない・・・手遅れになる前に助けないといけない。
そんな焦燥感が私の身体を突き動かした私はスマホを取り出し直ぐに電話を掛けた。
「・・・もしもし、真藤君?」
『・・・ーなんすか、香澄さんから連絡来るって珍しいっすね。』
「お願い!人が倒れてるの!直ぐに車出してくれる??!」
『・・・は??』
「うちの近くの川沿いに人が血を流して倒れてるのよ!!!!」
相当焦っていて心に余裕が無かったんだと思う。
だって私から死んだ旦那の舎弟に連絡するなんて今までになかったから。。
私の旦那は昔、「東冥」という族の総長をやっていた。
私たちが出会ったのは高校生の時。同級生だった。
涼生は体格が良くて背が高く、端正な顔立ちで優しい笑顔が特徴だった。
彼はいつも、自分は総長をやるなんて柄じゃないと笑いながら愚痴を溢していた。
特に彼の家が極道だとか兄弟が総長だったとかではない。
不良の喧嘩を何度も止めているうちに自然と総長にまで伸し上がってしまったらしい。
ただとにかく強かった。
女子にも相当モテていた。
涼生は私には違うと言っていたけれど、きっと私と付き合うまでは色々な子と付き合っていたんだと思う。
私は地味で大して可愛くもなく、愛想もなかったから、涼生から告白された時は目ん玉が飛び出るほど驚いた。
私の何がいいのかって聞いたら、普段は愛想がないのに本を読んでいる時の顔は表情豊かで、気になって見ているうちにいつの間にか好きになったと言っていた。
涼生は「総長」なんてのがまるで似合わない普通の男の子だった。