愛斗side

行った、か?





「お前ら、覚悟はあるか?彩香を守る··」






「俺は、あります」

「僕はあるよ」

「さっきあったばかりだけどな。守ってやるよ」

「·····大丈夫、だと思う」





ホントいい奴らだな






「体に、傷があった」





「「「?」」」





「無数の針の刺し跡と、殴られたような痣だ。大分古いのから····新しいのは今日か昨日のものだろう」






「「「!!」」」






「それに·····先天性無痛症って知ってるか?」






「·····?」

「分からない」

「聞いたことねーなー」

「知らねぇ」

「···聞いたことあるかも。痛みや温度を感じない先天性の病気」






「···その通りだ」






「····まさかっ!先天性無痛症で虐待を受けていたとすれば····」





「ああ、命に関わる危険性がある」







痛みに気づかずに過ごして、限界を超えた瞬間いきなり死亡なんてことがある





「その上無数の針の刺し跡···あれは注射針だろう」






「···なぜそんなものが」






『一般家庭』にはないもんなぁ





「さっき聞いたんだが、親は医者らしい」






「···それで虐待?」





「似たようなもんだが違う。恐らく、親が院長かなんかで外科の新人医師の練習台といったところだろう」






「っ!!そんな ······」





「だからこそ、ここで過ごさせてやれ。女性恐怖症はそれによるものだろう。父親は『音信不通』だそうだ」






「その父親は、暴力を奮っていたのか?」





「いや、母親のストッパーだったみたいだ」






「·········わかった。お前らもいいだろ?」






「「「ああ」」」







良かったな、彩香






もう、大丈夫だ