狼の愛したお姫様



その目に、光なんてものはなく。



「…今からでも遅くないよ?死ぬ?」

「はぁ…また悪い癖が出ましたね。…真に受けることないですよ。」


まるで“いつものこと”と言わんばかりにため息をつき、敬語の男は俺の治療を続けていく。



「僕が湊都に治療やめろって言えば辞める。そしたら君は死ぬ。…ねぇ、本当に死にたいなら辞めさせるけど」



その目は本気だった。
本気で、俺が死のうと構わないという目。