狼の愛したお姫様



「まずはゆっくり深呼吸しよ?」


私を抱きしめ、遥さんが一緒に深呼吸をしてくれたおかげで呼吸は整った。


「ありがとう、ございます…」

「いいえ。落ち着いたみたいでよかった」


私の頭を撫でる手はすごく温かい。

こんな感触、いつぶりだろう。






「あらら、泣いちゃった。よしよし、もっとこっちおいで?」


この一瞬が幸せに感じた。
それと同時に、少し怖いとも。