狼の愛したお姫様



「…助けてくれて、ありがとうございました。帰りますね。」


癖で首元にあるネックレスに触れようとすると、それがない事に気がついた。



「ない……」


ポケットにもカバンの中にも入ってない…。




「君のネックレスなら冬真が……じゃなくて、うちの幹部が、GPSがついてるからって今取り外してるとこだよ。」


GPS…?
あのネックレスに…?




「そんな…」



あれだけは肩身離さず、ずっとつけていたのに。

それにGPSがつけられていたから、携帯を離していても怜は私の居場所がわかったんだ…。