──── ─── ── 波の音だけが静かな夜に響く。 今は夜の12時を過ぎていて、自由に過ごせる一日を少し海で費やしてしまった。 「………」 そうだ、ここから飛び降りちゃえば。 死んじゃえば、一日の猶予で苦しむ必要なんかない。 死んじゃえば、怜からも逃げられる。 死んじゃえば──── 「遥たちには、もう会えない…………」