私は絶対言ってはいけない事をお母さんに言ってしまったから。



「ごめんね……」


私があんな事言って、お母さんの事困らせたから。

だからお母さんは……───。






「…っ、」


流れてきた涙を拭うと、ふわりと暖かいものに包まれた。


この香りは─────















「遥…………じゃ、ない……」







だんだんと人を酔わせていくようで、意識が遠のいていく。

刺激的で、何度も刻まれたこの香りの主…それは、























「やっと捕まえた。」





───怜の香りだった。