私のお母さんは暴力を振るわれていた。 …それでもお母さんはお父さんの事を愛していて、私にはそれが理解出来なかったけど。 「…今ならわかるよ。」 私も、ずっと心のどこかで唯一私のことを愛してくれる怜が好きだった。 どれだけ傷つけられても、その後の優しさで全て流されていたから。 「ごめんね、お母さん」 私がお母さんが亡くなったと聞いたのは、家を出た後だった。