狼の愛したお姫様



「間に合ってるんで。」


そういうのは叶望だけでいい。

…向こうがたとえ僕の方を向いていなくたって。



「…あいつは…」



目立つ白髪がパーカーのフードからみえた。



「あっ、ちょっとお兄さん!」


やたら胸を寄せてあげてるケバいお姉さんを振り払い、すぐに白髪を追っかける。


…こんな所には縁のなさそうなヒョロい奴だと思ってた……って僕が言えたことじゃないけどね。