狼の愛したお姫様



遥side


僕は今、切実に目の前にいる男を蹴り飛ばしたい。


「あの〜…遥さん、顔怖いっすよ…?」


朔夜が朝からそれを言うのは多分両手では数えられないくらいで。


「…うるさい。」


その度にそう返してるんだけど、やっぱり目の前の男はいけ好かない。



「叶望さん甘いものって好きです?昨日のお礼に買ってきたんですよ」

「ごめんね、気を遣わせちゃったかな…?でもありがとう、甘いもの好きだから嬉しい!」


…そんなの、僕だって買ってこれるし。


叶望が欲しいって言うなら一年分でも何でも買ってくるし。