「私、不眠症なの。」


私の告白に、宮くんは表情ひとつ変えない。


「だから何?」


ここで間違えるな。

慎重に…


「私と一緒に寝てほしい。」



長い沈黙の末、
宮くんはぶっと吹き出し、大爆笑した。


「ほ、本気なんだけど…。」

「くくっ…ははっ、
とんだ変態だな。お前。」

「そう思ってくれていい!
昨日、宮くんがそばにいて、久々に深く眠れたの。
もう一度一緒に寝てくれたら…
ううん。そばにいてくれるだけでもいい。
答えがわかる気がするの!」

「へぇ~」


宮くんは笑い終えたようで、ふーっと息を吐いた。



「やだ。」

「…!」

「やだよ。ていうか不眠症?
俺がお前のそれを治すことで
なんかメリットあるわけ?
まぁ、まずお前が俺の本性バラそうとしても
誰も信じないと思うけどね。」


宮くんは淡々と言い切った。


それは正論だ。

でも、その返答は5時間のシミュレーションで
十分予測できる範囲のものだった。