ゆっくりと夕食を食べている頃、父さんが言った。
「父さんさ、海外に行く事になった。」
驚いた。奏悟も景都も祐司も蒼司も目を見開いている。
「なんで?」俺は訊いた。
「会社から言われたんだ。ここずっと休んでたから、最後のチャンスとして海外転勤だと…」
「いつ帰ってくるの?」今度は景都が訊いた。
「分からない。ちょくちょく帰って来れるとは思うけど、この事業が成功しないとな…」父さんは、俯いていた。