泡沫夢幻



「私ね、お母さんの影響で
物心ついたときから声楽団に入ってたの。

あの事故で1回歌えなくなって...
そしたら周りの人は両親も亡くなって好きだったこともできなくなって可哀想にって同情してきた。

でもね、私にとっては大切な人に歌を届けられたらそれでもよかったから
歌えないのが可哀想なのかな...って悩みはじめて、
それから頻繁に体調崩すようになっちゃって。

私の中に私にもよくわからない一定の基準みたいなのがあってね、
その基準こえちゃうと起きてられなくて、
それで入学式の日も倒れちゃったみたいなの」


一生懸命に言葉を紡ぐ彼女の姿に
懐かしい力強さと儚さを感じた。