泡沫夢幻





線香の良い匂いに包まれて、手を合わせた。
隣には両親が眠るお墓に向かって手を合わせる水瀬。

「私また歌ってるの、聞こえる?」
そう哀しそうに呟く。
なんとなく、それ以上踏み入れてはいけない気がして少し距離をおいた。



「終わったよ、
常盤くんのお墓行こっか?」
と清々しい笑顔を見せた水瀬が声をかけ、はっと我にかえる。



「私ね、」

母さんと兄貴の墓へ行く途中、
水瀬が口を開く。