「ん?ご両親は?」
そう聞くと唇を噛み、悲しそうにうつむく。

その目は、、この目を俺は知っている。


「ごめん、聞かれたくないこともあるよね、今の忘れて?
俺の名前は常盤駿。好きなように呼んでいいから」

俺が話を変えると笑顔を見せ、
「水瀬ひよりです、よろしくね」
と言った。


ふわふわしたものが似合いそうな従順無垢な女の子。
それが彼女の第一印象。


彼女との出会いが俺の人生を大きく狂わせるなんてこの時は思ってもいなかった。