「ひよりっ!!!」
危ない、そう思ったときには勝手に身体が動いていた。
だめだよ、ひよりは俺に守られてればいいの。そんなこと言える立場ではないけれど、でも俺が巻き込んだんだからね。最期くらい守らせて?


グサッ


鈍い音がする。



「………駿、くん、!」
重い目蓋を必死に持ち上げると
両目に涙を浮かべ、真っ赤に染まった右手で目頭を押さえたひよりが見えた。


無傷のようでよかった。

笑ってよ。ねえ、ひより。

笑ってよ。


視界の端に真っ赤なほおずきが見えた。


そういえば赤いほおずきの花言葉は



『 イ ツ ワ リ 』



そこまで来て、限界を迎えた。



そして真っ暗な世界に身を任せた。