「とうちゃーく!」
学校を出て25分。入り口のドアに「カフェ:カンファー・ローレル」「Open」という看板が掲げられたカフェについた。レトロな外装で今時のお洒落なカフェ、というより昔ながらの喫茶店と言った方が合っている気もする。
「ここは私たちの溜まり場なの」
「いや俺の家な?」
カフェの外装をじっと見ている俺に佐野さんはドアに手をかけ真顔でそう言うとすかさず耀が突っ込む。
そういえば中学の頃、耀から店やってるとは聞いたことあったけど何やってるかどこにあるかまでは教えてもらったことも調べようと思ったこともなかったな………
「常盤、入るよ?」
カランカランとベルの音を立てて開いた扉の向こうを指して佐野さんが俺の名前を呼ぶ。
店内は意外と広くて、明るすぎず暗すぎずのちょうどいい照明加減。店員さんらしい、紺色のエプロンをつけた男の人が2人いるだけでお客さんは1人もいなくてFMラジオが流れている。
佐野さんはカウンターへ駆け寄り
「おじさんいつもの3つ!あ、代金は耀持ちでお願いね。地下行くから開けて」
と親しそうに眼鏡をかけたおじさんに話しかけた。
「あぁ、あれ俺の父さん」
ここまでの出来事に目を点にして固まっている俺の肩にぽん、と手を置いた耀が教えてくれる。



