泡沫夢幻



「私は大丈夫だし、理子ちゃんが怪我してるのは事実なんだからそんなに皆で責めないで。

…でもやっぱりまずは保健室行こ?」

そう言って神崎さんの手を引いて人集りの外に出てきた。

やっと見えた神崎さんの腕や顔、そして足に無数の痛々しいあざや切り傷が見えた。え、と私が呟くと思ったより声が出ていたのか、その声を聞いて顔を上げた2人と目が合う。

「涼…」
彩音は真っ直ぐ私を見て、私の名前を呼んだ。
彩音の後ろにいたとしと目が合う。
その目は先日のような荒んだ瞳ではなく何かを決心したすっきりとした目で、私を見てうなずく。


「私も行く」
事情はよく分からないけれど、
彩音は放っておけと言っても聞かないだろうし、
1人で行かせてまた傷つけるくらいなら、と気づけばそう口走っていた。