泡沫夢幻



「じゃあ、行きましょうか」

翼達が用意した温かい飲み物を飲んだ後、同じく用意された体操服に着替えて幹部室から出てきた彩音に翼が手を差し伸べて笑いかける。

彩音は真顔で、そして無言でその手を取り、
深く息を吸ってふぅと吐いた。

「この右手はみんなに預けるよ」
一歩、二歩、三歩と踏み出し、私たちの前に出た彩音は振り返ってそう一言残して
もう一度歩き出した。



私たちが大広間に足を踏み入れたとき、
やはり先ほどと同じように神崎さんを囲むようにみんなが集まっていた。

「あ、みんな…」
座り込む神崎さんの隣にいるのはくすんだ瞳をしたとしがいて、やっと声を発した。