泡沫夢幻



いつものように幹部の誰か(といっても主に仁志)と倉庫に来ていた神崎さんは、今日、数学の宿題に追われた仁志と別れた後、1人で倉庫に向かおうとしていたらしく、それに気づいた春馬が生徒玄関で声をかけた。


いつもならわーいと人懐っこい笑顔を向けるのだが、今日は何やら怪訝そうな顔をして、それから思い出したように鞄から2冊本を取り出して
「あ、図書室で本返さなきゃいけないし次の本選びたいから先行ってて!」
と早口で言い、図書室の方へ駆けて行った。


それくらい待つのに…と思いながらも言葉をかける間もなく言ってしまった神崎さんを諦めた春馬は今度こそ靴を履き替えて外に出ようとすると今度はげっそりとしたとしにばったり会い、2人で歩いて来たという。