「理子ちゃん!放課後倉庫行くだろ?」
飛龍の幹部をはじめ、全員がすっかり神崎さんに懐き穏やかな日常が戻ってきた。
「あっ仁志くん!うん、行くよ〜!」
神崎さんを1番心配していたのは仁志だった。
仁志も中学受験に失敗してから両親から突き放されていたのに
高校受験が近づくと圧を掛けられるという同じような境遇にいた。
「仁志、お前数学の提出物出してねぇだろ」
私がそう問うと
「やべっ、理子ちゃん先行ってて!
涼助けて!」
と慌てて鞄から数学の宿題を取り出して
私を呼ぶ。
そういえば中学受験でも算数でやらかしたとか言ってたっけ。
まあ、そんなことはどうでもいい。
今はこのバカの提出物を終わらせるのが先だ。
空が真っ赤に燃えはじめ、教室に夕陽が差し込んできた頃、
「やっと終わった〜!!」
「マジ疲れた………」
締め切り15分前。
仁志は無事に提出物を片付け終えた。
数学のノートを全くと言っていいほどとっていなかった仁志に私は三角関数を1から説明したおかげでとても肩が痛い。
鞄を取り、仁志は職員室へ私は生徒玄関へ、それぞれ向かった。



