泡沫夢幻



「そーそーここ何回教科書読んでもわかんねえんだよ…」
春馬はそう言いながらほとんど全て埋まっているプリントをひらひらさせる。
最後の応用問題だけは何度も書いては消してを繰り返した跡が残っていた。

「あーそれこの公式使う前に指数法則で…」
「おっ、できた!涼すげえな!」
手順を示せばすぐに理解してくれる飲み込みの早い春馬は根っからの真面目だ。

赤髪の奴が真面目?!何を馬鹿な…
なんて思うかもしれない。
だけど彼は現在の飛龍の中で5本の指に入るくらいの真面目だ。


「見てくれ!白紙だーーーー!」
1限目開始まで後15分だと言うのに、文字通り真っ白なプリントを自慢げに見せつける騒がしい仁志に1つゲンコツを落として答えを写させる。
本当は本人のためにもこういうことはしてはいけないと思いつつも…

「ふぅ、やっと終わった〜、、ってこら!仁志!」
ほら、やっと全員に教え終わり背伸びをしている彩音が怒りの声を仁志に向ける。