泡沫夢幻



「「「彩音(あーちゃん)、おはよう」」」
いつも通り3人揃ってそう返したはいいものの、多分彩音には伝わっていない。

「あーちゃんなんでこここうなるの?!」
「それはさっき覚えた指数法則を使って解くんだけど……」

「彩音さん!乗法公式ってなんすか?!」
「あーもうそれさっきも説明したじゃない!問題解く前にまずこの式覚えて!」

「あーちゃん助けて!」
右から、左から、前から、後ろから、順番に助けを求めるクラスメイトたちに前回の中間テストで学年3位、クラス2位を取った特に数学が得意な彩音は嫌な顔ひとつせず宿題のヒントを与えている。


「とりあえずやるか…」
私はそんな彩音たちを横目に、彩音の手際の良さに魅入っている2人を促しながら自分の鞄から宿題を取り出した。

2人の学力はお世辞にも良いとは言えないが
今彩音に教わっている人たちよりは確実にあるだろう。
あ、いや、、仁志は怪しいな………