その後、俺はどうやって家に帰ったのかはわからない。
気づいたら兄貴の荷物と自分だけがここにいた。


目を閉じれば兄貴のあたたかい笑顔が浮かび

「駿!」って呼びかける大好きな優しい声がまだはっきりと残っている。



どう願ったって時が戻るわけではないのに。


ちっぽけな俺はどうすることもできなくて、
1秒1秒時を進める壁にかけられた時計をにらみつけ
用意した2人分のご飯もそのままに自室へ戻った。

運命はいつでも残酷だ。