泡沫夢幻



その2人の会話に入れるわけもなく、
ただじっとそこに立って、話を聞いていた。

「ありがとう、茜さん」
取り乱し泣き始めた水瀬がようやく泣き止んで、
茜先生にそう告げると、次に俺をみた。

「あ、、常盤くんいるの忘れてた」
茜先生はそんな水瀬を見て、思い出したように間抜けな声を出す。


しーん、という効果音がぴったりなほど
静まり返った保健室。

「あのっ」
「もうっ」
俺と水瀬の言葉が被る。

「あ、水瀬先…」
「あっ、常盤くん先いいよ?」
またしても被る。

その様子に茜先生はあっはっはっ〜と笑い出す。