泡沫夢幻



家に帰ると、珍しく父さんがキッチンに立っていた。
「駿、おかえり。今日は久々に父さんが作るな」

「ただいま。
うん、ありがとう」
そう声をかけて部屋に行こうとすると


「テストが終わったら少し話したいことがあるんだが…」
と話を切り出された。

「これまでのこと、颯太にも話さなきゃと思ってな」
そう笑顔で言われた。

いや、正しくは作り笑いか。
目の奥は笑っていなかった。

そして、その目は俺を見てはいなかった。



「うん、わかったよあと3日でテスト終わるからさ」
嫌な予感がして、とりあえずそう言ってキッチンを後にした。