小さな鼻をひくひくさせ、小さな耳をちょこちょこと動かし、キラキラしたまっすぐな目で私を見つめる君は雨のせいなのか、少し震えていた。

頭を撫でるとニャーと小さな声で鳴いて、目を細めて笑う君。

こんなことしてる場合じゃない!こんなに小さな子が雨の中にいたら風邪を引いてしまう。

「寒いよ?おうち帰りな?」
私の言葉を聞いた子猫は近くにあった段ボールの中に入った。

段ボールは雨でビショビショに濡れ、中に入っている毛布も意味を成すこと無くビショビショだった。

段ボールのふちには「拾ってください」と書かれていた。


「君、捨て猫か...うちにおいでよ。」
子猫は小さく、でもさっきよりは大きく、「ニャー」と鳴いた。