「陽葵、人見知りまだ治ってなかったの?」

コクンと小さく頷いた。

昔から知らない人と会話する時はいっつも緊張しちゃって、何話せばいいのかわからなくなる。

今だってそれが出てしまい、恥ずかしくなった私は、ゆうくんの後ろに隠れた。


「良いなー。祐介には懐いてるのか」

不貞腐れた表情の彼とまた目が合ってしまい、急いで視線を逸らした。


「激かわ。陽葵ちゃん、こっちで一緒にジュース飲まない?」

「サボるな」

「こんな可愛い子、祐介だけズルいよ」


♪♪〜♪

突然聞こえた着信音にビックリして身体が飛び上がった。

ディスプレイに表示される“あっちゃん”。

私は慌ててゆうくんの後ろに隠れて、通話ボタンを押した。


『ひま〜公園に着いたんだけど、人が多くて迷子』

「あ、迎えに行くよ。今どの辺?」

『入ってすぐのトイレのとこ』

「わかった!(みつる)くんは?」

『一緒にいるよ。声聞く?』

「いや、いい。今から行くね」

『はーい』


電話を切り、スマホをポケットに入れると背後から声が聞こえた。


「俺も行こうか?」

「んーん。大丈夫!」


「じゃあ俺が…」と、私の前に出てきた彼にビックリして、後ろに仰け反ってしまった。