翼のない鳥


・・・ん?

適当に図書室で時間を潰したあと。

教室に戻ろうとしていたら人が群がっているのに気づいた。


なんか、嫌な予感するなあ。


「なあ、あの子めっちゃ可愛いよな。」
「なんでC組いるんだろうな。A組だって言ってなかったっけ?」
「いや、あれだろ?双子の片割れとやらがC組なんだろ。会いに来たんじゃね?」
「あー、サボったヤツか。」
「度胸あるよなあ。」

ビンゴだ。


可愛い、双子、A組。


こんだけキーワード揃ってりゃ、間違えようがない。

足を動かすスピードを速める。


群がった人の中心に、太陽の光を集めたような金色が見えた。

ピタリ、と足を止める。



「邪魔、退いて。」



鬱陶しい人の波をかき分けるなんてまっぴらごめんだ。

低い声で威圧すると、道が開けていく。



その先にいる少女が、金の髪を揺らして振り向く。

紅の瞳が、僕を捉える。




「―――美鶴。」