それを司がとる。
「あ、それと。」
「ッ!」
キュッと美鶴が手に力をこめる。
その細腕のどこにそんな力があるのか、あの司が顔を歪めた。
「律のためにならないと判断したなら、それなりの対応をさせてもらいますね。・・・私、律のためならなんだってできますから。」
はっきりと言い切った美鶴の瞳は、律が美鶴に見せていたものと同じ。
守りたい。
一途なその思いが痛いほど溢れる、思わず引き込まれてしまいそうなほどの、強い瞳。
強くて、脆い、それ。
・・・一方的なものじゃない、ってことか。
「私もたいがい、ブラコンなので。」
・・・ほんとうに、厄介だ。
息を呑むほど美しい笑みを浮かべてそう言い切る彼女に、溜息をついた。