翼のない鳥



「馬鹿っぽい。」

ぼそりと真秀が呟く。

「はあ!?誰が馬鹿っぽいよ!」

すかさずそれにのっかる美鶴。

「はいはいストップ。」

いつのまにか2人の喧嘩の仲裁役が定着してしまった司がとめる。


「ふうん、そう簡単には見つからなさそうだねえ。」


ゆるり、と優美なしぐさで顎に指先を添えた茜に、全員の視線が集まる。

もとはと言えば、茜の発案。


「茜、何か作戦あるんでしょ?」


司の言葉に、美鶴をはじめ、みんなの視線に期待がこもる。

それを受けた茜は二コリ、笑って、




「え?んなのねえよ?」



ぶっ壊した。


「はああああ!?」


叫んだのは俺だけど、多分みんな絶叫したい気分だと思う。


「な、ななななないって・・・」


静流のどもりも、今は気にならない。

俺だってどもりてー気分だし。


「じゃあ、何にも考えずにあんなゲーム申し込んだの?」


ヒクリ、とひきつる頬を隠せない。

え、まじか、ウソだろ。




「・・・そういえば、そうかもねえ。」



のんびりと、危機感も焦りも微塵も感じさせない茜にめまいがした。

俺って、どっちかっていうとふりまわされるよりふりまわす派なんだけど、こいつのまえでは形無しじゃねえか。

ま、それは他の奴等も一緒だけど。


個性が強すぎるこの空間でも、飛びぬけてぶっ飛んでるヤツ。




コイツだけは、絶対に読めない、分からない。